ネオンが泳ぐ東京夜景。睥睨するは摩天楼。
高層建築の最上階で、上等なスーツに身を包んだふたりの男が言葉を交わしている。
「ときに社長、天使をご存知でしょうか」
「処女懐妊で生まれる両性具有の赤子、だったな。それがどうした?」
「なんでも、大変に美味なのだとか」
――魔術と電脳が彩る夜景。
株価指数は刻々と上下し、易占局が人災確率を発表する。召喚された制霊はメール片手に電子の海を泳ぎ、不法投棄されたマンドラゴラが二又根っこでネオン街を駆けてゆく――。
眠らない街を行き過ぎて、天使を食しに赴く男がふたり。その後を追う男がひとり。
(6,000字『オカルトパンク!』のビジュアルノベル化) |